大哉心乎


大なる哉、心や。

天の高きは極む可からず、しかも心は天の上に出づ。

地の厚きは測る可からず、しかも心は地の下に出づ。

日月の光はこゆ可からず、しかも心は、日月光明の表に出づ。

大千沙界は窮むべからず、しかも心は大千沙界の外に出づ。

それ太虚か、それ元気か、心は則ち太虚を包んで、元気を孕むものなり。

天地は我れを待って覆載し、日月は我れを待って運行し、四時は我れを待って変化し、万物は我れを待って発生す。

大なる哉、心や。

-栄西『興禅護国論』序 より-

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