『楞伽経』における涅槃

ボーディ・ダルマが慧可に伝えた四巻『楞伽経』に「涅槃は、如真実の義の見なり。先に妄想の心・心数法を離れ、如来の自覚聖智を逮得するを、我は是れ涅槃なりと説く。」とあります。ここで説かれている分別意識の止滅に伴う聖智の目覚めが、釈尊の菩提樹の下での一見明星による悟りにあたります。また、経典自体を伝えるのが禪の目的ではありません。あくまで、それを方便の媒体として用いながら、そこで説かれている内実そのものを伝えていくのが禪の法脈の本来の役割です。

無明の破壊と自我の完全なる死滅を伴う真の自覚聖智に至るまでには、自ずからプロセスがあり、修行者の性質によって見える景色は様々です。
今、このサンガで多くの参禅者達が目覚め始めていますが、本当の意味で正師の存在が必要になるのは、覚醒のプロセスが始まってからになります。

目覚めの一瞥は誰にでも起こり得ることですが、その後、自身の現在地が分からなくなり、自我を増長させたりしてかえって道を見失うことさえあります。また偏差やクンダリーニ症候群などの身体的トラブルが起きたり、魔境や霊障などアストラル領域の存在の影響に絡め取られたりする方もいます。現在は、精神世界の分野もまだまだ成熟してはおらず、多くの混乱が見られます。探求の熱意が本物であればある程に危険性も増すものです。

道を求める方々が勝縁を結ばれ、それぞれが真っ直ぐに正道を歩まれることを願っては止みません。大切なのは自分自身を誤魔化さないこと、そして、真理への誠実さです。

合掌 無為

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