原初期の禪の実像については、今まで多くの事が謎に包まれており、宗門においても達磨大面壁九年などの逸話が伝説として語り継がれるのみでした。ダルマの語録『二入四行論』や、ダルマが慧可に託したとされる四巻『楞伽経』も、専門道場で取り扱われることはありません。
しかし、それらの語録や経典などを紐解いていくと、禪の本質に直接繋がる重要な鍵が隠されています。例えば、チベットのゾクチェンやマハームドラーと共通する修行の方法論、「不立文字」の元となった言葉、頓悟と漸悟の可能性、更には意生身や如幻三昧身など後期密教で扱われる領域に関する言及も見られます。『楞伽経』は、『究竟一乗宝性論』などにある如来蔵思想やマイトレーヤの唯識がベースとなっていますが、中観派の教えとも矛盾することなく、高度に統合されています。
最近では敦煌文献の研究も進んでおり、禪に対するイメージや歴史が覆る様な発見もある様です。秘されていた真実が表に現れくる時代かもしれません。またそれに呼応するかの様に、ダルマを希求する方々が此のサンガに集ってこられています。新たな時代の幕開けです。
合掌 無為