第六図 騎牛歸家
[序]
干戈已に罷み、得失また空ず。
樵子の村歌を唱え、児童の野曲を吹く。
身を牛上に横たえ、目に雲霄をみる。
呼喚すれども回らず、撈籠すれども住まらず。
【現代語訳】
戦いはすでに終わった。牛を得るの失うのという心配もない。
安らかな気持ちで木こりの歌を歌い、笛で童歌の節を奏でよう。
牛の背中に横たわり、大きな空を見上げる。
誰が声をかけても気にせず、引き留められても留まらない。
[頌]
牛にのって迤邐として家に還らんと欲す。
羗笛聲聲晩霞を送る。
一拍一歌限り無き意。
知音は何ぞ必しも唇牙を鼓せん。
【現代語訳】
牛にまたがり、ゆらりゆらりと我が家へ向かって帰ろう。
羗族の笛を吹けば夕焼け雲に響き渡る。
旋律の一拍一音に無上の喜びが宿る。
本当にわかり合える相手には、この気持ちを言葉にする必要もあるまい。
すみのぼるこころの空にうそぶきて たちかえりゆく峰の白雲
かえりみる遠山道の雲きえて こころの牛にのりてこそゆけ