第二図 見跡
[序]
経によって義を解し、教を閲して跡を知る。
衆器の一金たることを明らめ、万物を体して自己と為す。
正邪弁ぜずんば、真偽なんぞ分かたん。
未だこの門に入らざれば、權に見跡と為す。
【現代語訳】
経典によってその意味を理解し、教えを辿って道の方向性を知った
様々な器が同じ金属からできているように、全ての存在が自己であるようだ
しかし正邪を弁えなければ、真偽を見分けられない
未だ門をくぐったとは言えないので、仮に牛の足跡を見つけた段階とする。
[頌]
水邊林下跡ひとえに多し。
芳草離披たり見るやまたいなや。
縱い是れ深山の更に深き処なるも、
遼天の鼻孔怎ぞ他を蔵さん。
【現代語訳】
水辺や林の中には色々な足跡がある。
草むらにいる牛の姿があなたには見えるかどうか。
たとえそこが深山のさらに山奥であったとしても、
鼻面が天に届くほど大きい牛の姿は隠しようもないのだが。
こころざしふかき深山のかいありて しおりの跡を見るぞうれしき
おぼつかな心づくしに尋ぬれば ゆくえも知らぬ牛の跡かな