『無門関』第四則 胡子無鬚
【本則】
或庵曰く、西天の胡子甚に因つてか鬚無き。
(本則訳)
或庵は言った。「西から来た胡人(外国人=達磨)にはなぜ鬚がないのか。」
【評語】
参は須らく実参なるべし、悟は須らく実悟なるべし。
者箇の胡子、直に須らく親見一回して始めて得べし。
親見と説くも、早く両箇と成る。
(評語訳)
参禅は真の参禅でなければならない、悟りは真の悟りでなければならない。
この胡人、自分で一度直接見て初めて知り得るだろう。
しかし直接見たなどと言ってしまえば、もうすでに二つに分かれてしまっている。
【頌】
痴人の面前、夢を説くべからず。
胡子無鬚、惺惺に曚を添ふ。
(頌訳)
愚か者の前で夢物語を説いてはならない。
胡人に鬚が無いなどというのは、明瞭なところに愚を添えるようなもの。